令和8年熊本地震から考える「地震の後」の備え
2026/08/28
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県では最大震度7を観測しました。
気象庁は今回の一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名しています。
2016年の熊本地震から10年──。
「一度大きな地震を経験した地域だから、もう大丈夫なのでは?」
そんな考えが、決して通用するものではないことを改めて感じさせられる地震となりました。
まだ復旧や検証が続いている段階なので、今回の地震について最終的なことを言える状況ではありません。
それでも、現時点で見えてきていることの中に、私たちがこれからの防災を考えるうえで、とても大切なヒントがあるように感じます。
それは、「地震に耐えるだけでは、防災は終わらない」ということです。
家が倒れないようにすることはもちろん大切。
でも、その後に水が出なくなったら?
トイレが使えなくなったら?
電気が止まったら?
道路が通れなくなったら?
仕事を続けられなくなったら?
地震の「その後」をどう乗り切るのか──そこまで考えておくことが、これからの防災には必要なのかもしれません。
■「一度大地震を経験したから大丈夫」ではない
今回の地震を見ていて、まず感じたのがこのことです。
2016年の熊本地震からわずか10年で熊本県は再び震度7の地震に見舞われました。
今回の地震は、2016年の地震とは異なる場所を含む活動で、活断層による地震は「一度動いたから、もうしばらくは大丈夫」と単純に考えられるものではありません。
これは、私たちが暮らす四国でも他人事ではないと思います。
南海トラフ地震についても、「いつ起こるか」を正確に予測することはできません。
だからこそ、「まだ起きていないから大丈夫」ではなく、「いつ起きてもおかしくないものとして備える」という考え方が大切なんですね。
揺れが収まったら、災害も終わり……ではありません。
大きな地震が起きると、揺れが収まった瞬間に「ひとまず助かった」と思ってしまうかもしれません。
でも、そこからが避難生活の始まりになることもあります。
今回の熊本地震でも、本震の後に強い地震が続いています。
気象庁の観測でも、7月28日のM7.1の地震の後、同日中に震度5弱を観測する地震などが発生しています。
地震後の建物やブロック塀、崖などは、見た目では分からない危険を抱えている可能性があります。
「揺れが止まったから、家の中を確認しに戻ろう」
「壊れたところを自分で見に行こう」
とすることが、かえって危険につながることも……
だからこそ、避難計画は「地震が起きた瞬間」だけではなく、その後の数日間をどう過ごすかまで考えておく必要があるのだと感じました。
■水と同じくらい考えておきたい「トイレ」
今回、特に気になったのが「トイレ」の問題です。
災害時の備蓄というと、まず水や食料を思い浮かべますよね。もちろんどちらも欠かせません。
でも、断水すると同時に困るのがトイレです。
8月15日午後2時時点でも、熊本県内では約2万6,450戸で断水が続いていたと報じられています。
猛暑が続く中で水を自由に使えない状況は、衛生面だけでなく、脱水や熱中症のリスクにもつながります。
だから個人的には、「水・食料・トイレ」ではなく、「水・トイレ・食料」くらいの気持ちで準備しておいてもいいのでは?と思いました。
そして、トイレは「簡易トイレを買っておけば終わり」ではありません。
使った後の排せつ物をどう保管するのか。どう回収するのか。どこで処理するのか。
そこまで考えて、初めて「使い続けられる備え」になります。
■避難所にいる人だけが「避難者」ではない
今回の地震では、発災翌日に県内432か所の避難所に8,886人が避難していました。
ただ、避難所に入らず、自宅や車の中などで避難生活を送る人もいます。
実際、8月15日時点でも80か所の避難所に3,205人が残っていたと報じられています。
「避難所にいる人=避難している人」ではないんですね。
自宅にいる人、車中泊をしている人、高齢の方、障がいのある方、ペットと一緒に避難している方……
それぞれに必要な支援は違います。
これからの防災では、単に「避難所を用意する」だけでなく、地域全体で、どこにどんな人が避難しているのかを把握し、必要な支援を届けられる仕組みも必要になってくるのではないでしょうか。
■備蓄は「ある」だけではなく「届く」ことも大切
災害が起きたとき、道路が無事とは限りません。
道路が寸断されてしまえば、倉庫に水や食料がたくさんあったとしても、必要としている場所まで運ぶことができません。
つまり、「備蓄している」=「使える」ではない
ということです。
家庭でも企業でも、一か所にすべてをまとめて備蓄するだけではなく、可能な範囲で分散しておく。
そして、いざというときに使える輸送ルートや、燃料、配送を担当する人などについても考えておく。
少し大がかりに感じますが、企業の防災を考えるうえでは、こうした「物を届けるところまで」の準備も大切になってきそうです。
■家や会社は「壊れない」だけで十分?
今回の熊本地震では、8月15日時点で住家被害が3万894棟に達し、そのうち全壊が1,283棟と報告されています。
もちろん、建物そのものの耐震性を高めることは、命を守るためにとても重要です。
──が、ただ、これからはもう一歩進んで、
「建物が大きく壊れなかった後、そこで生活や仕事を続けられるか?」という視点も必要なのではないでしょうか?
例えば、家具の転倒を防ぐ。
停電に備えて非常用電源を用意する。
断水しても使えるトイレを準備する。
水や食料を備蓄する。
会社なら、事業を止めないための代替拠点や連絡手段を考えておく。
こうした一つひとつをつなげて考えることで、「その場で生活を続けられる家」や「事業を続けられる会社」に近づいていくのだと思います。
■熊本地震から、これからの防災を考える
今回の熊本地震を見ていて、私が一番強く感じたのは、「備えていたか」だけではなく、「止まっても暮らし続けられるか」ということでした。
地震そのものを止めることはできません。停電や断水を完全になくすこともできません。
道路が通れなくなることもあります。
だからこそ、「もし止まったら、どうする?」を一つずつ考えておく。
それが、これからの防災なのかもしれません。
そして、このことを南海トラフ地震に置き換えて考えてみると、私たちの暮らす四国でも、決して他人事ではありません。
今回の熊本地震をきっかけに、「耐震」だけではなく、「その後も暮らし続けるための備え」について、私たちも改めて考えてみたいと思います。
これからの防災を考えるうえでは、耐震・トイレ・分散備蓄・電源・物流・BCP……
こうしたものを別々に考えるのではなく、一つの「災害後も暮らしや仕事を続けるための備え」としてつなげていくことが、大切になってくるのではないでしょうか。
夏のマリンレジャーの最中での大津波警報
2026/08/18
夏になると、海水浴をはじめ、磯釣りやサーフィン、SUPなど、海で楽しむ機会が増えてきます。
では、もし海で遊んでいる最中に地震が起きたり、大津波警報が発令されたりしたら、私たちはどう動けばよいのでしょうか?
海のレジャーは、今どこにいるのか、岸からどれくらい離れているのかによって、取るべき行動が変わってきます。
ただ、どのレジャーにも共通している大切なことがあります。
それは、
「津波を確認してから逃げるのではなく、強い揺れや津波警報などをきっかけに、早めに避難する」
ということです。
気象庁や海上保安庁も、海の近くで強い揺れや長い揺れを感じた場合は、津波警報を待たずに海岸や河口から離れ、できるだけ高い場所へ避難するよう呼びかけています。
今回は、海水浴、磯釣り、サーフィン、SUPなど、それぞれのレジャー中に地震や津波が起きた場合について考えてみました。
① 海水浴中だったら?
海水浴中に地震や津波警報があった場合は、まず海から上がり、安全な場所へ避難することが基本です。
海水浴場では、津波避難ビルや高台など、あらかじめ避難場所が決められているところもあります。
「荷物を置いていくのはもったいない……」
と思ってしまうかもしれませんが、こういうときは荷物より命が優先です。
海を振り返って津波の様子を確認したり、写真や動画を撮ったりするのもやめましょう。
また、家族とはぐれてしまった場合も、探すために海岸へ戻るのではなく、まずは自分自身が安全な場所へ避難することが大切です。
「とにかく海から離れて、高いところへ」
これを覚えておきたいですね。
② 磯釣りをしているときは?
磯釣りは、海のレジャーの中でも特に注意が必要です。
岩場は足元が悪く、波が来たときに逃げられる場所も限られています。
「まだ釣り道具を片付けていないから……」
「クーラーボックスだけでも……」
と思ってしまうかもしれませんが、地震や津波の危険があるときは、釣り道具をすべて置いてでも避難することが大切です。
竿もクーラーボックスも、また買うことができます。
魚も、また釣りに行けばいい。
命には代えられません。
磯釣りでは、普段から「ここで地震が起きたら、どこへ逃げるか」を確認しておくことも大切ですね。
③ サーフィン中だったら?
サーフィンの場合は、少し判断が難しく感じるかもしれません。
「沖にいるから、津波が来ても大丈夫なのでは?」
と思われることもありますが、サーフボードだけで津波から逃げることを前提にするのは危険です。
津波がいつ来るのか、どれくらいの大きさなのかを海上で判断するのは難しく、沖へ出るために必要な距離や体力もあります。
そのため、海岸付近にいる場合は、できるだけ早く海から上がり、高台などの安全な場所へ避難することが基本です。
「津波が見えてから逃げる」のではなく、地震の揺れや津波警報などをきっかけに、早めに行動することが大切です。
④ SUPを楽しんでいるときは?
SUPも、地震や津波が起きたときには注意が必要なレジャーのひとつです。
SUPはサーフィンなどに比べるとスピードが出にくく、風の影響も受けやすい乗り物です。
そのため、海上で大きな地震が起きた場合には、無理に沖へ移動するのではなく、状況を見ながら安全を確保する必要があります。
岸が近く、安全に戻れる状況であれば、できるだけ早く着岸して避難します。
一方で、すでに沖に出ている場合などは、無理に戻ることがかえって危険になることもあります。
その場の海況や距離などを考え、現地の防災情報や指示を確認しながら行動することが大切です。
⑤ シーカヤックの場合は?
シーカヤックも、岸に近い場所であれば、着岸して高台などへ避難することが基本です。
ただし、数km沖まで出ているなど、岸からかなり離れた場所にいる場合は、状況によって判断が変わります。
海上での判断に迷った場合は、ガイドや関係機関からの指示があれば、それを優先しましょう。
「海にいるから、とにかく岸へ戻る」
と決めつけるのではなく、自分が今どこにいて、どの行動が一番安全なのかを考えることが大切です。
⑥ プレジャーボートの場合は?
プレジャーボートについては、少し考え方が違ってきます。
船舶の場合、条件によっては港や沿岸から離れて沖合へ避難するという選択肢があります。
ただし、これは十分な操船能力があり、エンジンや船の状態、海の状況、津波が到達するまでの時間などを考慮したうえでの判断です。
「津波が来たら、とりあえず沖へ出ればいい」
ということではありません。
一般のマリンレジャーで海上にいる場合は、無理な操船をせず、海上保安庁などの指示や防災情報を確認して、安全を確保することが大切です。
海のレジャー、危険度は?
あくまで「津波が発生した場合に、避難の難しさ」という観点で考えると、私は次のようなイメージになるのかなと思います。
レジャー/危険度/基本的な行動
磯釣り/★★★★★/すぐに避難
SUP /★★★★★/状況に応じて着岸・避難
海水浴/★★★★☆/海から上がって避難
サーフィン/★★★★☆/海から上がって避難
シーカヤック/★★★☆☆/着岸・避難(状況による)
プレジャーボート/★★☆☆☆/条件により沖合退避など
もちろん、これはレジャーそのものの危険度ではなく、地震や津波が発生した際に、どれだけ安全な場所へ移動しやすいかという目安です。
実際には、岸からの距離や海の状況、津波の到達時間などによっても大きく変わります。
海では「迷ったら早めに逃げる」
今回調べてみて、海での防災で一番大切なのは、
「津波を見てから逃げる」のではなく、「揺れたら逃げる」「警報が出たら逃げる」
ということなのだと改めて感じました。
海水浴中でも、釣りをしていても、サーフィンやSUPを楽しんでいても、まずは自分の命を守ることが最優先です。
釣り道具も、サーフボードも、SUPも、荷物も、また取り戻すことができます。
でも、命は一度しかありません。
せっかくの夏の海を楽しく過ごすためにも、海へ出かける前に、
「もし今ここで地震が起きたら、どこへ逃げる?」
と、一度家族や一緒に行く人たちと話しておくと安心ですね。
「備えておいてよかった」と思えるように、楽しむ前にほんの少しだけ、防災についても考えてみてはいかがでしょうか。
今、私たちにできる支援を考えてみませんか?
2026/08/03
7月28日16時27分、熊本県熊本地方でM7.1、最大震度7の地震が発生しました。
その後も震度5弱の地震が相次ぎ、多くの方が不安な日々を過ごされています。
8月1日夜の時点では約6万9,400戸で断水が続き、9,045人が避難生活を送っています。
今もなお、救命活動や生活の維持が最優先の状況です。
ニュースを見るたびに、「何か力になりたい」「自分にもできることはないだろうか」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そんな時こそ、焦って現地へ向かうのではなく、現地の状況や要請に合わせて動けるよう準備しておくことが大切です。今回は、今すぐ始められる支援についてご紹介します。
① まずは「義援金」や「支援金」で支える
義援金は、被災された方の生活再建のために直接配分されるお金です。日本赤十字社では10月30日まで受け付けており、熊本県の義援金配分委員会へ全額送られます。
一方、支援金は炊き出しや家屋の片付け、避難所の運営などを行うNPOやボランティア団体の活動費として活用されます。赤い羽根共同募金の「ボラサポ・令和8年熊本地震」でも受け付けています。
「何かできることはないかな」と思った時は、まずは信頼できる公式窓口を通じて支援することが、被災地にとって確実な力になります。企業として支援を行う場合も、会社として寄付を行い、その内容を社内で共有しておくと、社員の皆さんにも支援の目的が伝わりやすくなります。
② ボランティアは「準備」をして待つ
熊本県社会福祉協議会では、災害ボランティアの事前登録が始まっています。
一部地域では活動も始まっていますが、募集人数や活動内容などは地域によって異なります。
今は、
・登録せずに現地へ向かわない
・自治体や社会福祉協議会へ直接問い合わせをしない
・宿泊・食料・水・燃料・装備は自分で準備する
・ボランティア保険に加入する
といった「自己完結」が基本とされています。
現地へ行って役に立ちたいという気持ちはとても大切です。
しかし、多くの車が被災地へ集まると、緊急車両や給水車、復旧作業の車両の通行を妨げてしまうこともあります。
今は、現地からの要請があった時にすぐ動けるよう準備を整えておくことが、結果として大きな支援につながります。
③ 建設業だからこそできる備えも
建設業に携わる会社には、一般の方にはない「支援できる力」があります。
例えば、
・対応できる人数や活動日数
・トラックなどの車両
・ブルーシートや養生材、応急修繕資材
・災害用トイレや衛生用品
・建物や住宅の被害確認の経験
・物資の仕分けや配送ができる体制
・自己完結できる食料、水、燃料、宿泊手段
・現地へ向かえる最短日程
・責任者と連絡先
こうした内容をあらかじめA4一枚程度にまとめておくと、支援要請があった際にもスムーズに対応できます。
支援の依頼があれば、県や社会福祉協議会、建設業界団体などの案内に沿って行動することが大切です。
こちらから何度も問い合わせるのではなく、募集内容を確認しながら動くことで、より必要とされる支援につながります。
■仲間同士でできること■
経営者団体や取引先など、仲間同士で支援を考える場合は、
・公式窓口への募金
・支援できる会社や人材、車両の登録
・現地から要請された物資だけを調達する
この3つを意識すると、被災地の負担を減らしながら支援できます。
善意で集めたペットボトルや古着、食品なども、受け取りや保管、仕分けなどの負担になってしまうことがあります。必要な物資が公表された際は、送り先や品目、数量、受付期間を確認してから送るようにしましょう。
また、災害時には偽の募金や悪質な修理業者なども少なくありません。寄付をする際は、日本赤十字社や熊本県、共同募金会など、信頼できる窓口を利用することが安心です。
『私たちにできることを、一歩ずつ』
災害が起こると、「何かしなければ」と気持ちが焦ってしまうものです。
でも今は、現地が本当に必要としているタイミングで、必要な支援を届けられるよう準備しておくことも、大切な支援のひとつです。
今日できることを整理すると、
① 公式窓口へ寄付する
② 災害ボランティアへ事前登録する
③ 自社・自団体の支援可能な資源を整理しておく
④ 社内で支援担当者を決めておく
⑤ 現地からの正式な要請を待つ
このような流れになります。
私たち建設業には、復旧や応急対応など、いざという時に役立てる力があります。
その力を本当に必要な場面で発揮できるよう、今できる準備を一つずつ進めていきたいですね。
被災地の一日も早い復旧と、皆さまが安心して日常を取り戻せることを心より願っています。
南海トラフ巨大地震と現実的な防災の話
2026/07/06
今、大規模な災害が起こった場合、自衛隊や消防、警察などのあらゆる公安職の人員が足りなくなる可能性が高いと言われています。
特に南海トラフ巨大地震では、
・被害エリアが非常に広い(静岡〜九州まで)
・同時多発的に火災が発生する
・大津波が発生する
・道路が寸断される
・停電や通信障害が起きる
・港湾や空港の機能が止まる
といった問題が一気に重なると想定されています。
そのため、救助する側も被災し、現地へ入れないケースが多く発生する可能性があります。
実は国や自治体もかなり前から、「公助(救助隊)だけでは対応しきれない」という前提で防災対策を進めています。
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■ 南海トラフはどれくらいの規模なのか?
南海トラフ巨大地震の最大想定では、
・死者:数十万人規模
・負傷者:数十万〜100万人規模
・避難者:数百万人規模
とも言われています。
一方で、自衛隊・消防・警察・DMAT(災害医療チーム)などを合わせても、被災地全体へすぐに救助へ向かえる人数には限界があります。
特に重要になるのが、発災後72時間。
いわゆる「命の時間」です。
本来なら、この間に瓦礫からの救助や止血、搬送などを行う必要があります。
しかし実際には、津波による道路消失、橋の崩落、ガソリン不足、通信障害、ヘリの着陸場所不足などが重なり、救援活動の初動が大きく遅れる可能性があります。
そして、徳島は特に厳しい地域のひとつとも言われています。
海岸線が長いこと。
津波到達が早いこと。
山間部が多いこと。
高速道路への依存度が高いこと。
さらに、夜間発災時には避難の遅れも起きやすいこと。
こうした条件が重なっているためです。
特に小松島・阿南・徳島市沿岸部では、まず「自力で逃げ切る」ことが非常に重要になります。
これは決して冷たい話ではなく、「救助隊はすぐには来られない可能性がある」という現実があるからです。
もちろん、自衛隊も全力で投入される想定です。
艦艇、ヘリ、輸送機、給水車、野外炊具、仮設風呂、衛生部隊など、大規模な展開が計画されています。
ただ、南海トラフで難しいのは“同時多発”であることです。
東日本大震災は東北中心の被災でしたが、南海トラフでは太平洋ベルト地帯、工業地帯、人口集中地、港湾、発電施設などが同時に被災する可能性があります。
つまり、「助けに行く場所が多すぎる」という状況になる可能性が高いのです。
だからこそ、今、国が特に重視しているのが「自助」と「共助」です。
自分で逃げる。
家族で助け合う。
近所で助け合う。
会社単位で初動対応をする。
こうした備えや行動が、これまで以上に重要になってきています。
建設機械、発電機、燃料、水、簡易トイレ、衛星通信、社員の安否確認、津波避難ルールなどを事前に準備している企業は、発災直後には“助けられる側”ではなく、“地域を支える側”に回る可能性も高くなります。
実際、過去の大災害でも、最初に人を助けたのは近所の人、土建業者さん、漁師さん、地元消防団だったケースが多かったそうです。
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地域の防災企業がこれまで提案してきた「無水トイレ」「津波対策」「BCP」「地域防災」「備蓄」「初動体制」は、実はかなり本質的なものです。
“助けを待つ側”ではなく、“最初の72時間を地域で支える側”を増やそうとしているからです。
夏場の避難生活で気をつけたい衛生対策
2026/05/27
最近は南海トラフ地震への備えについて耳にする機会も増え、徳島でも「もしもの時」に備えておかなければ…と感じる方も多いのではないでしょうか。
災害時というと、まず食料や水の備蓄を思い浮かべますが、今回調べてみて改めて感じたのは、「避難生活の衛生環境」が想像以上に大切だということでした。
特に夏場は暑さや湿気の影響もあり、避難所での生活環境が一気に厳しくなります。
今回は夏の避難生活で特に気をつけたい衛生対策について考えてみました。
■夏場の避難生活で起こりやすいこと■
夏の避難生活で特に問題になりやすいのが、食中毒や感染症・熱中症や脱水・トイレ環境の悪化の3つです。
気温が高い時期は菌が繁殖しやすく、断水によって手洗いが十分にできない環境になると体調を崩してしまうリスクも高くなります。また、避難生活ではストレスも大きく、知らないうちに体力を消耗してしまうこともあるようです。
調べる中で特に重要だと感じたのが、水とトイレの問題でした。
断水すると、普段当たり前に使っているトイレも使えなくなります。すると、排泄を我慢してしまったり、衛生環境が悪化してしまったりと、避難生活そのものがかなり大変になります。
最近は携帯トイレを備蓄されるご家庭も増えてきましたが、「1人1日5回程度必要」と言われており、家族分を考えると意外と数が必要になってきます。
防臭袋や凝固剤なども含めて、一度見直してみるのも大切かもしれません。
■“水が使えない前提”で準備しておく■
災害時は、思うように水が使えない可能性があります。
そのため、アルコール消毒液・ウェットティッシュ・ボディシート・ドライシャンプーなど、「水がなくても清潔を保てるもの」がかなり重要になってきます。
特に夏場は汗による皮膚トラブルも起きやすいため、体を拭くだけでもかなり違います。
私たちも普段、お客様とお話しする中で、「もし災害が起きた時、この家でどう過ごせるか」という視点は、以前より大切になってきていると感じます。
例えば、水を備蓄しておくスペース。非常用品の収納場所。停電時でも風通しを確保しやすい間取り。
トイレをどう確保するか…など、日頃から少し考えておくだけでも、いざという時の安心感は変わってきます。
■“備えておいて良かった”が一番大切■
災害は、起きてほしくないものですが、完全に避けることはできません。
だからこそ、「やりすぎかな?」と思うくらい準備しておくことが、実際にはちょうど良いのかもしれません。
今回調べてみて特に感じたのは、『清潔を保つことも大切な防災対策のひとつ』ということでした。
ご家庭の備蓄を見直すきっかけとして、少しでも参考になれば幸いです。